田川 深青さん
Misawo Tagawa
いわて復興応援隊
黒森神楽を応援し、中野七頭舞を次世代につなげる復興応援隊員
PROFILE
1984年生まれ。東京都出身。2006年、武蔵大学人文学部を卒業し、川崎信用金庫入庫。預金係、出納為替係、庶務係、融資係、本部業務と幅広く経験する。2019年、結婚に伴い岩手県に移住。田老の昆布・ワカメ養殖漁家専従者として漁業の手伝いを開始。2020年「いわて定住・交流促進連絡協議会 いわて復興応援隊」に着任。宮古水産振興センター内にて活動。2021年12月に産休・育休に入り現在に至る。
郷土芸能を愛してやまない東京出身のママ
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まず、普段のお仕事内容と一日のルーティーンを教えてください。
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今は、育休中ですが、2020年8月~いわて復興応援隊として、宮古合同庁舎の中で働いています。主に、水産業の担い手確保の事業に積極的に関わらせてもらいました。私は、県に依頼されて派遣として働いているので、決まったルーティーンは無く、自分で、仕事を探しています。
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次に、仕事でのやりがいを教えてください。
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妊娠中は、つわりがひどく、やりがいという所まで至らなかったのですが、さまざまな人に出会い、岩手の事を深く知ることができたのは面白かったです。
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仕事をしていて、大変だったこと、やめたいと思った事はありますか?
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ありますね。この仕事は震災後にできた制度なので、岩手の復興をお手伝いする応援隊として、自分で仕事を探すのが難しくて。今は、「心の復興」と言われていますが、心が見えず、何処から手をつけていいのか分らなくて。あまり岩手のことを知らずにこの仕事に就いたので、無力感でやめようと思ったこともありました。
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今後、職業での展望や夢はありますか?
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この制度は、今年で終わってしまうのですが、いち宮古市民として、自分の子どもが誇れるようなまちにしたいです。そして、仕事がしやすくなるように地元の人達と協力して地元を盛り上げたいです。
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続いて、仕事以外の時間は何をしていますか?
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踊りが好きなので、黒森神楽(宮古市/国指定重要無形民俗文化財)を見たり、中野七頭舞(岩泉町指定無形民俗文化財)を岩泉高校の生徒さんに教えたりしています。また、zoomで主婦の方たちとパンを作ったり、体の勉強をしたり…。そのほか、山登りをして山菜を採ったりもしますよ。
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中野七頭舞の経験年数を教えてください。
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中学2年生の時の部活で出会って初めたので、24年間やっています。結婚して宮古に来てからは、中野七頭舞保存会からコーチに抜擢されて、岩泉高校の生徒にも教えています。
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七頭舞を初めたきっかけや魅力を教えて下さい。
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中高一貫の学校だったのですが、民族舞踊部の踊りを見たことがきっかけです。最初見たとき、かっこいいと憧れを抱き、師匠に出会って、さらに追求したいと思いました。
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宮古にIターンしよう思ったきっかけを教えてください。
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きっかけは、宮古の人と結婚した事ですね。あと、黒森神楽が近くにあるのが大きかったです。宮古は、自然が多く、星が綺麗で過ごしやすいです。都会の満員電車から解放されて、心の余裕ができました。
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趣味は今後どのようにしていきたいですか?
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黒森神楽は、ずっと応援しているし、子どもがやりたいと言えばやらせてあげたいです。中野七頭舞は、保存会の皆さんといっしょにもっと良い踊りにして、全国の方に見てもらいたいです。
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宮古での暮らしの満足ポイント・不満ポイントを教えてください。
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満足ポイントは、山、海、川等の自然が綺麗なことと、星が綺麗なこと。あと、人が少ない所が好きなのでそこが良いです。また、保育料が無料なので、子育てしやすい環境が整っているところですね。
不満ポイントは、噂話がすぐに広がったりするので、あまり良い気はしないですね。
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田川さんにとって、ふるさととは?
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待ってくれている人がいるところ。友達や趣味も地元でやってきたので、経験と人脈がある場所ですかね。
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田川さんの希望は?
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もっとみんなが一丸となって宮古を盛り上げてくれればと思います。個々で活動している人が多いので、みんなが参加できる形で、盛り上がってくれればと思います。
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Uターンを考えているひとたちにメッセージを。
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皆さんのふるさとは宮古だから、生まれ育った場所に誇りを持ってほしいです。受け身ではなく、自分が好きなまちを作っていってほしいと思います。
2022年9月取材