大洞真帆

大洞真帆さん

Maho Ohora

美容師・美容室経営

ハサミを持つ手はマイクも握る、宮古の歌姫美容師

PROFILE

1979年生まれ。宮古市出身。宮古北高校卒業後、盛岡ヘアメイク専門学校へ進学。盛岡市内のヘアサロンに就職後、22歳で宮古市へUターン。宮古市内のヘアサロンで約9年間勤めたのち30歳で独立し、「マリーネッタ」を開業。2021年には念願の店舗兼自宅を建設。通常のサロン営業のほか、着付け・ヘアメイク出張なども行う。

美容師としてお客さんの人生に関わる喜び

お仕事の内容について教えてください。

マリーネッタという美容室で、カットやカラーなどの美容術を行っています。ほかにもブライダルの仕事として、出張で着付けやヘアメイクなどをしています。

美容師の仕事のやりがいを教えてください。

美容師は技術職でもあり、接客業でもあります。うちのお店はプライベートサロンで1対1の接客ができるので、お客様が「普段ほかでは言えない話ができて、心が軽くなった」と、帰っていってもらえたりとすると、やりがいを感じます。ほかにも、結婚式でヘアメイクをしたお客さんに子どもが生まれ、そのお子さんが大きくなって七五三の着付けをするという機会をいただくこともあります。お客さんと一美容師としての関係に加え、お客さんの人生にずっと関わっていけるというのが、この仕事の素晴らしいところだなと実感しています。

大洞真帆

この仕事をして印象に残っていることはありますか?

独立し、お店をオープンしてちょうど一年後に東日本大震災が起きたんです。開業資金の返済が始まる月に、収入が無くなってしまってどうしようかと思いました。でも、自分にできるボランティアとして、被災者の方向けにシャンプーを無料にすることにしました。「2週間ぶりに髪を洗います」という方がいらしたりして、「人のため」だけを考えていたあの時のことが、今でも思い出に残っています。

美容師としての今後の展望や夢はありますか?

美容師になって25年ぐらい経った今まで、常に夢や目標がありました。自分のスキルアップやお客さんの集客、独立、そして自分のお店の建設など、段階を踏んで夢を叶えることができました。今後については、下の世代を育てていく力をつけたいなと思っています。若い方がどんどん新しいお店を出していますが、「着付けを教えてほしい」という声が聞こえてきています。自分が先輩たちに教えてもらったように、今度は下の世代の技術向上のため、できることを考えていきたいです。

仕事以外の時間で趣味はありますか?

最近猫を飼い始めました。友だちが保護猫活動をしていて、いつか自宅にも猫を迎えたいなと思っていたんです。家事以外の時間はずっと猫と過ごしていますね。あと、若いころはバンドを組んで、音楽活動をしていました。私はボーカル担当です。そろそろまた時間を見つけて再開しようかなと思っています。

音楽活動を宮古でしていて良かったことはありますか?

バンドを始めてから何年か後に美容師として独立したんですけど、お店をオープンするにあたって、音楽を通じて知り合った人たちにたくさん助けてもらいました。電気関係はあの人、水道関係はあの人、というように、相談できる人がたくさんいましたね。あとは、知り合いが増えることで集客においてもすごく助かったし、みんなに支えてもらっているという実感は本当に強いです。

音楽活動は今後どんな風にしていきたいですか?

活動を増やしていきたいです。今年から始まった、街中音楽祭にも参加したいですね。宮古は音楽の街だとずっと思っているので、盛り上げていく側にも回っていきたいなと思います。

大洞真帆

宮古で暮らしていて満足ポイントや不満ポイントはありますか?

自分が困った時に、周りのコミュニティに助けてもらえるっていうのは宮古のメリットだなと思います。あとは、子育て支援はほかの自治体より早いし、充実していると思います。不満ポイントとしては、私の子どもの一人が障害児なので、障害児の支援がもっと進んでほしいなと思います。

大洞さんにとってのふるさととは?

大切な人たちがわんさかいるところです。高校を卒業して専門学校に進学した時点では、もう絶対宮古には戻ってこないと思っていました。でも、なんで美容師になりたいのかを考えた時に、周りにいる家族や親戚、お世話になった人たちに喜んでもらいたいというのが基盤にあり、それは宮古に帰ってこないと叶わないことだということに気づきました。その時に、やっぱり私は宮古にいたいんだな、帰りたいんだなと感じましたね。

洞さんにとっての希望は?

やっぱり子どもたち。家族ですね。

Uターンを考えている人たちにメッセージをお願いします。

宮古にいて文句を言っている人は、都会に行っても環境の文句を言うんじゃないかなと思います。逆に、現在の喜びをちょっとずつでも見出せれば、きっとどこに行っても楽しめるんじゃないかな。そういう人は田舎に帰ってきても、絶対楽しいことを見つけられると思いますね。だから、今の時間を大切に過ごしてほしいと伝えたいです。

大洞真帆

2024年3月取材

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