
西川 修司さん
Shuji Nishikawa
税理士
聖火ランナーとして岩手の復興を世界に伝えた、静と動を併せ持つ税理士
PROFILE
1973年生まれ。盛岡市出身。盛岡南高等学校を卒業後、大学に通いながら税理士資格取得に向け専門学校で学ぶ。2002年、父親の経営する西川廣税理士事務所に就職。2004年、30歳で税理士登録。幼少期から縁のあった宮古市の税理士事務所を引き継ぐ形で、2008年に西川税理士法人宮古事務所を設立。所長として現在に至る。妻と双子の娘との4人暮らし。
税理士として地域の企業と一緒に成長していく
-
税理士のお仕事の内容についてお聞かせください。
-
主に税務の申告業務です。日本は自主申告制度ですが、今の税法はすごく複雑なんですよ。公平であるためには複雑にならざるを得ないんですが、一般の人には難しすぎることが多い。なので、その申告業務をサポートしたり、税務の悩み相談を受けたりと様々な業務があります。普段は申告書の作成や職員に作成してもらった資料を元に、地域の企業など、お客さんのところを訪問したりしていることが多いですね。
-
この仕事のやりがいはなんですか?
-
会社の経営者は、いろんな悩みを抱えています。数字のことだったり、経営者としての悩みだったり。それを一緒に解決したり、申告業務や節税対策、財務管理などをサポートしたりしていき、その企業と一緒に成長していくことに大きな喜びを感じます。

-
印象に残っていることを教えて下さい。
-
やはり、東日本大震災と二度の台風被害を経験したことでしょうか。被災当時、皆さん本当に途方に暮れていたんですよね。私は、いろいろな助成金や国の支援制度を調べて紹介することで、皆さんをサポートしました。企業がそれを利用して事業を再開し、また元気に宮古で活動されている姿を見たときには、お役に立てて良かったなと思いましたね。
-
この仕事をしていくうえで大事なことは何ですか?
-
常に、お客様に分かりやすく説明することを心掛けています。今、税法は50種類もあって非常に複雑ですので、「税法の翻訳家」でありたいなと。そして、知識ももちろん大事ですが、コミュニケーション力のほうがもっと大事。税理士はお客さんとの付き合いが長い仕事ですから、ゆっくりと信頼関係を築いていくことが大切なんです。
-
次に、趣味や余暇の過ごし方についてお聞きします。仕事以外の時間はどのように過ごしていますか?
-
仕事以外の時間は、子どもたちと一緒にダンスを習ったり、公園で遊んだりします。1人の時間がある場合は、体を動かすことが多いですね。マラソンのトレーニングをしたり、シーアリーナで筋トレしたり。あとは、登山やサウナも好きです。
-
ずいぶんアクティブですね。もともと体を動かすことがお好きなんですか?
-
はい。中学高校と、ずっとバレーボールをやっていたんですよ。全国大会に出場するくらい打ち込んでいました。体育系の高校を出ましたから、体を動かすことは誰にも負けたくないんです。そして、20代の頃、ほぼすべての時間を税理士の資格試験の勉強に費やしていましたから、その反動があるのかもしれませんね。こうして考えてみると、やりたいと思ったことは全部やっています(笑)。

-
マラソンのトレーニングを宮古でする利点や良さは何ですか?
-
宮古は冬は雪が降らないし、夏は涼しくて、1年間を通して走りやすいことですね。内陸だと冬は雪が降って走れないし、夏は暑すぎますから。
-
マラソンで印象に残っていることは何ですか?
-
2013年の横浜マラソンです。震災後、いろんな思いがあって、走ることをストップしていた時期があったんですよ。それでもなんとか前を向けて、復活を果たしたレースが、その大会だったので印象深いですね。ちなみに、マラソンではないですけど、私、東京オリンピックの聖火ランナーをやったんですよ。コロナの影響で公道を走ることはできなかったんですけど、聖火を次の人につなぐトーチキスを経験しました。
-
そうなんですか! 聖火ランナーに応募した理由は?
-
昔からオリンピックが大好きで、聖火ランナーにも憧れていたんです。東京オリンピックは自国開催でしたし、国内外に「岩手も元気になりましたよ」とPRできる場だと思って応募しました。ずっと震災復興に携わってきましたし、ボランティア活動もしてきましたからね。応募する際に小論文を提出するんですけど、震災や台風被害の助成金サポート業務を、事務所のみんながほぼ無償でやってくれたことなどを書きました。ですから、聖火ランナーに選ばれたことは、すごく誇りに思っているんですよ。

-
素晴らしい経験ですね。では、今後やってみたいことを教えてください。
-
子どもが大きくなって時間ができたら、「日本百名山」のすべての山に登りたいです。実は、すでに30峰は登っているんですよ。東北の山はほとんど登ったのですが、ラスボス的に残っている、飯豊山に登ることが第一の目標でしょうか。あとは、家族全員でダンスのステージに立ってみたいですね。
-
宮古での暮らしの満足ポイント・不満ポイントを教えてください。
-
満足ポイントは、子育てがしやすいところです。うみどり公園のように、子どもを遊ばせる場所もあるし、買い物も不便を感じていません。私の場合、職場と自宅と保育園が近く、仕事が終わればすぐに家族の時間になります。都会だとそうはいきませんよね。通勤時間や送迎などで時間を取られてしましますから。不満なところは特にはないです。宮古で子どもたちと遊んでいると、夢のような生活をしているな、と感じることがあるくらいです。

-
西川さんにとって、ふるさととは?
-
心の支えになるところ。何があってもいろんな人たちに助けられたり、お互いに支え合ったり、安心して過ごせる場所ですね。私は盛岡出身ですけど、宮古はもう第2のふるさとだと思っています。
-
西川さんにとって希望とは?
-
今、起業する人の年齢が若くなってきたんですよね。20代で起業する人もいるし、30代での起業は、もう珍しくもない。そんな若い起業家たちにどんどん成長して、どんどん成功してもらいたい。私はそれをサポートしていけたらな、と思っています。あとは、子どもたちに健康に育ってもらえれば。それが希望でしょうか。
-
Uターンを考えているひとたちにメッセージを。
-
自分がやりたいことがあって宮古を出ていくのは素晴らしいし、もし失敗しても、戻って来る場所があることを忘れずに、いろいろなことにチャレンジしてほしいです。うまくいかなくて戻ってきても、それは何も恥ずかしいことではないんですよ。そして、私たち大人は、若い人たちが戻って来られる環境を維持していかなきゃいけない。特に私は、宮古の経済や雇用を守るサポートをすることも、使命のひとつだと思っています。







2025年2月取材