井田裕基さん

井田 裕基さん

Yuki Ida

フォトグラファー

カメラは人生。郷土芸能への愛で世界を旅するカメラマン

PROFILE

1986年香川県高松市出身。2004年高校を卒業後、大学で中国語を専攻し北京へ留学。2009年大学を卒業後、滋賀県の重機メーカーに就職。2012年退職し、宮古市に移住。2013年から宮古市の写真館で勤務。2015年に独立し、井田裕基写真事務所を開業。2017年に結婚。妻と娘と暮らす。

写真は記録だけではなく未来への問いかけ

お仕事の内容を教えてください。

主に写真と映像の撮影・編集をしています。写真は、記念写真や学校アルバムの撮影をしますし、映像はイベントの記録、郷土芸能や学校行事など。ライブ配信も行っています。

カメラマンになったきっかけを教えてください。

単純ですよ。「好きだから」。大学生の時に報道写真に興味を持ち、報道ジャーナリストになりたいと考えた時期もありました。大学卒業後に、フォトジャーナリストの学校に参加し、沖縄やインドなど色々な場所で研修を受けたこともですね…。あとはドキュメンタリー映画が好きだったこともあると思います。震災後に東北に取材の仕事をしにきて、写真館に就職しました。その後、起業し今に至ります。

大変だったことを教えてください。

一人で仕事をしているため、すべて自己責任であることですね。身体が資本ですし体力勝負なので、仕事の管理や健康管理にも気をかけなければいけません。クライアントとの信頼関係もそう。仕事の量にもムラがあって、毎月決まった額の収入ではありません。極端ではありますが、嫌な仕事は断っていいし、仕事がしたいときにすれば良いですが、すべて自己責任です。

印象に残っていることを教えてください。

アーティストの方々との撮影ですね。プロの方々の仕事を見て、関わることができるのは面白いです。彼らの仕事から学んだり、自分の仕事の参考にしたりして、ヒントを得ることも多いですよ。

今後の夢・展望はありますか?

写真展に自分の作品を出して作家活動をしたいと考えていて、こだわりを持っている郷土芸能をまとめたいと思っています。郷土芸能を撮影し、記録として残していくのもそうですが、過去の記憶を断絶させたくないという思いもあります。彼らがしていることは昔を表せる唯一のものであり、大切にされてきたものだからです。そして、郷土芸能の世界では、次の世代への継承がなかなか難しいということもありますしね。

仕事以外での時間の過ごし方を教えてください。

仕事以外の時間でも写真撮影は欠かせません(笑)ほかには、バイクで走ったりすることや家族と過ごすことが多いです。

写真の魅力を教えてください。

やっぱり記録性ですよね。過去の記録として残るのもそうですが、未来への問いかけにもなっているところが魅力だと思います。

ご自身の性格や性質と合うところはどんなところですか?

上手くは言えませんが…私は仕事柄いろんな所に行くことが多いです。カメラがあるからこそ行けるんですよ。こういったところが合っていると思います。

宮古でリラックスするときにしていることを教えてください。

バイクで走ること、家族と過ごすことですね。家族は良き理解者であるため、一緒にいると、とても安心します。

一日だけ理想の休日があるとしたらなにをしますか?

一日だけでなければ、海外のエスニック(少数民族)の村に行って、郷土芸能の撮影に行きたいです。テレビで見るよりも現地で見るほうが、迫力もありますからね。

この趣味(余暇の過ごし方)は、今後どんな風にしていきたいですか?

私の娘の成長を写真に残したいですね。バイクは好きなので乗り続けたいです。

宮古での暮らしの満足ポイント・不満ポイントを教えてください。

満足しているところは、優しい人が多いところですね。不満なところは、考えが古い人がいて、若い人への技術の継承が遅れてしまうことや、考えにズレが生じてしまうところですね。

井田さんにとって、ふるさととは?

難しい質問ですね(笑)私は海が近いと安心しますね。そのほかには、知っている人がいて、気も心も許せる人がいること、地域や地元だけにしかない「音」「おどり」があることですね。

井田さんの希望は?

もっと若い人達が活躍できるような環境になってほしいですね。これを実現するには、ご年配の方々の若い人への理解や応援、若い人達はそれに応えられるような自由な発想をもつことが大事だと思います。

高校生へのメッセージをお願いします。

経験を通して知識をつけること、わからないけどとりあえずやってみるといったチャレンジ精神を持ってほしいですね。そしてチャレンジをするときは、「ベース」となるものを必ず設定しておくことを大切にしてほしいです。例えば…カメラマンであれば、郷土芸能やスポーツなど、自分が好き、あるいは得意なジャンルをベースとして持ち、さまざまな活動を通して経験を積んでいきます。たくさん挑戦して自分の世界を広げていってほしいです。

Uターンを考えているひとたちにメッセージを

進学や就職で一度外へ出ているわけなので、地元の良さ、外の良さを感じ取れているかと思います。地元へ帰ったら、そこからできることを見つけ、活躍してもらいたいですね。宮古であれば、田舎で自由さのあることから「自由」な発想をもってほしいです。

2022年9月取材

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