
石澤 佳奈子さん
Kanako Ishizawa
マルチワーカー
人のつながりを大切に、4つの仕事を「複業」するマルチワーカー
PROFILE
1995年宮古市生まれ。宮古高校卒業。2018年信州大学教育学部卒業後、長野県の株式会社坂城葡萄酒醸造に入社。飲食部門のフレンチレストランで働きながら、ソムリエの資格を取得する。2024年宮古市にUターン。宮古一中地域学校協働活動推進員(地域コーディネーター)、居酒屋大ちゃん、NPO法人みやっこベース、宮古高校家庭科非常勤講師の4つの仕事をかけ持つ。両親、祖母、妹と5人暮らし。
好きなことを好きだと言えることがだいじ
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まず、お仕事についてお伺いします。たくさんのお仕事をされているそうですが。
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4つの仕事をしています。まず、1つめが、宮古一中の地域コーディネーターという、学校と地域住民をつなぐ仕事。たとえば職業体験の段取りや、地域のボランティア活動の紹介などをしています。2つめは、居酒屋大ちゃんのホールスタッフ。勤務時間がいちばん長いのがこの仕事ですね。3つめは、NPO法人みやっこベースで、さまざまな企画のサポートをするサブスタッフのようなお仕事。4つめは、宮古高校の非常勤講師で、週2回、家庭科を教えています。
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すごいですね!最初からこの仕事スタイルにしようと思っていたのですか?
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気づいたら4つやっていた、というだけなんですよ。Uターンして仕事を探しているときに、たまたま一中の地域コーディネーターさんが辞められるタイミングで、後任に就くことができたんです。宮高の仕事も、その地域コーディネーター会議のときに、家庭科の非常勤講師を探しているらしいっていう話があって。雑談の中で「私、家庭科の教員免許持っていますよ」と、ポロッと言ったら、その流れで決まりました。全部そのときの流れというか、めぐり合わせというかなんですよね。

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この働き方は、ご自身には合っていますか?
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フルタイムでひとつの仕事をするより自由にできる時間が多く、わたしは気に入っています。詰め込みすぎると休みがなくなるので、月曜日だけは仕事を入れないなど、自分で調整もできますしね。長時間のデスクワークが、自分には合わないと自覚しているんですよ。いろんなところで働くと、その都度スイッチが切り替わって、集中力が続くので良いです。
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たくさんの仕事をする上で一番大切にしていることはなんですか?
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ダブルブッキングをしないように、スケジュール管理がとても大切です。スマホで管理されている方も多いですが、わたしはスケジュール帳に手書きしています。アナログ人間なので。
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Uターンする前はどんなお仕事をしていたんですか?
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長野県の大学を卒業して、そのまま長野のフレンチレストランで働いていました。小さい頃から飲食のお仕事に興味があったんです。そこは、ワイナリーも経営しているところでしたから、働きながら勉強して、ソムリエの資格も取りました。お酒に弱い体質なので、ベロベロに酔っ払いながら勉強したんですよ(笑)

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今、お仕事をしていて嬉しいことややりがいを感じるのはどんな時ですか?
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宮古という小さな地域の中でいろんな仕事をしているので、横のつながりが生まれたときに、楽しいなと思います。なにかの仕事で出会った方と、別の仕事でまたご一緒させていただいたりすると、嬉しいですね。
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逆に、大変なことはありますか?
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地域コーディネーターの仕事ですが、職場体験の準備はけっこう大変ですね。30から40 の企業にお声がけしますが、中学校の希望と合わなかったりもするので。繁忙期には、体力的に大変だなと思うことはありますが、どの仕事も辞めたいと思ったことはないです。

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印象的なできごとを教えてください。
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「みやっこタウン」のことでしょうか。みやっこベースが年に一度開催している、小学生を対象として、職場体験の場を提供するキッザニアみたいなイベントです。子どものために、地域の大人が一生懸命協力してくださっている姿が印象的でした。一中の職場体験でお世話になった方が、こちらにも協力してくださっていたりしているのも嬉しかったです。自分の仕事が、グラデーションのようにつながっていると感じて。あとは、自分も次の世代を育てる立場になったんだな、という感覚もあって、印象に残っています。
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今後の展望や夢を教えてください。
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宮古で飲食店を開きたいです。ワインを出したいですよね、せっかく勉強しましたから。宮古にはワインの文化があまりないので、そういうお店ができたらいいですね。
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では、お仕事以外の時間についてお伺いします。どんなご趣味をお持ちですか?
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いろいろやっているのですが、一番は絵を描くことですね。小さい頃からずっと好きです。水彩画が得意なのですが、去年は友だちと一緒に冊子を作って、東京のイベントに出たんですよ。ほかにも、料理や家庭菜園をしたり、最近では編み物をしたりしています。
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絵は、どんなところが魅力ですか?
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現実にないものを形にできることが魅力です。子どもの頃、雑誌に載っている原宿系の派手な服や、ゴシックロリータのようなファッションが好きで。でも、宮古には売っていなかったので、絵に描いていたんですよ。夢見がちで、ファンタジー小説が好きだったこともあって、自分の考えたものを形にできるのが楽しくて。

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その趣味は今後どのようにしていきたいですか?
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去年、自分で描いた絵を冊子にしたのがすごくおもしろかったので、今度は、宮古に関することをまとめた本を作ってみたいなと思っています。同じ趣味を持つ人たちを集めて、販売会みたいなこともしてみたいですね。
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素敵ですね。では、宮古での暮らしの満足ポイント、不満ポイントを教えて下さい。
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気候も人も、穏やかなところでしょうか。宮古の人たちは話すテンポも独特のゆったりさがありますよね。外に出てそれに気が付きました。不満ポイントは、交通の便が良くないことです。あとは、本屋さんが少なくなったことは悲しいですね。

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石澤さんにとってのふるさととは?
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自分の好きなものの一番コアにあるものじゃないかな、と思っています。一番真ん中にあるもの。宮古を10年離れていても、宮古弁が抜けなかったりしますしね。
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石澤さんの思う「希望」とは何でしょうか?
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自分の好きなものを好きと言えること、ですね。
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Uターンを考えている人たちにメッセージを。
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心穏やかに過ごせる素敵な街だと思います。そこで皆さんが、それぞれ自分の好きなことをやっている。きっと、やりたいことは宮古でもできるし、穏やかに過ごしたい人は、ぜひ宮古に帰ってきてほしいなと思います。
2026年1月取材


