阿部 恵さん
Megumi Abe
飲食店経営
食堂を営みながら、宮古の猫の幸せを願う。 保護ねこ支援ボランティア団体代表
PROFILE
1982年生まれ。岩手県宮古市出身。高校卒業後、地元の高齢者施設に調理師として就職。仕事の傍ら2019年に保護猫の支援ボランティア団体「保護猫ちゃんリアス」を設立。野良猫の保護主への支援活動として譲渡会開催、避妊去勢などへの寄付を開始。野良猫の相談、猫の適正飼育の啓蒙活動、里親募集のサポートなどを行っている。2021年「てんまる食堂」を開業し、夫とともに店を営む。夫、猫4匹と暮らす。
猫を愛し、猫の未来に理想を燃やす
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仕事の内容や毎日のルーティンを教えてください。
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飲食店を経営しています。毎朝8時から仕込みを始め、11時に開店。14時半から休憩に入り17時から夜の営業を再開し20時に閉店。翌日の仕込みをして、22時頃に帰宅し、猫の世話をしています。
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仕事を通して印象に残っていることはありますか。
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お客様と会話をする中で、猫好きの人と意気投合し、LINEを交換したことがあります。また、Instagramで紹介している飼い猫てんちゃんのファンの方が、わざわざ青森から来てくださったこともあるんですよ。
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仕事で大変だったこと、やめたいと思ったことがあったら教えてください。
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やはり、コロナの影響が大きくて大変ですね。客足がまばらで売り上げの上がり下がりが大きいですから。やめたいと思ったことは…、けっこうありますよ。夫と喧嘩をしてしまったときなんかはね(笑)
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これからのお店の展望についてお聞きしたいのですが。
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人とのつながりを大切にしていきたいです。お客様とふれあったりもっと猫好きのみなさんと仲良くなったりしていきたいと思っています。
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では、仕事以外の時間はどのように過ごしていますか。
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基本的に猫と過ごすことが多いです。猫にご飯をあげたり遊んだり、ほとんど猫との時間ですね。所属している保護猫の支援ボランティア団体の活動などもしています。
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その団体はいつから参加し、どのような活動をしているのですか。
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実は、私が代表者でして。2019年に「保護猫リアス」を設立しました。野良猫の保護主さんへの支援活動として、譲渡会の開催や避妊去勢などへの寄付活動のほか、正しい猫の飼い方を指導・発信しています。
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代表をされているのですね。保護猫活動を通しての魅力を教えてください。
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猫はね、とにかくかわいいですよ。やっぱり一番のモチベーションはそこでしょうか。団体活動の方は、野良猫の扱い方や猫の飼い方が分かってきたという声を聴くとうれしく思います。
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大変なことはありますか。
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野良猫の保護を頼まれたり、「野良猫にエサをあげているうちに増えてしまった」などの電話を受けたりすることがあるのですが、その対応やをするのが大変ですね。
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今後その活動をどのようにしていきたいですか。
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細く長く続けていきたいです。ボランティア団体での活動では手の回らないところを、宮古市や保健所の方々に関心を深めてもらい、野良猫から地域猫へしていけたらいいなって思います。
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地域猫というのはどのような猫ですか。
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TNR活動とも言うのですが、野良猫を捕獲し(Trap)、避妊去勢手術をし(Neuter)、元いた場所に戻す(Return)ことです。繁殖力の高い猫が増えすぎないようにして、地域の理解と協力のもと管理していきます。TNR済みの猫たちは、目印として耳の先を小さくカットしますが、その形から「さくら猫」とも呼ばれています。宮古ではまだ始まったばかりですので、これから広げていけたらと思っています。
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宮古での暮らしの満足ポイント・不満ポイントを教えてください
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不便に思うのは病院が少ないことでしょうか。あとは、飲食店を営んでいるので、仕入に不便を感じることがありますね。でも、住み慣れているからかな…、便利かと聞かれるとそうでもないけど、すごく楽なんです。宮古にいるのはそこが大きいですね。
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阿部さんにとって、ふるさととは?
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ホッとする場所。宮古はそれを感じられると思います。自然も豊かでおいしいものもありますし。
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阿部さんの希望は?
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多くの人たちに、野良猫の問題にもっと関心を持ってほしい。目を向けてほしいです。
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Uターンを考えているひとたちにメッセージを
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宮古は住みやすいですので、帰ってきたら楽だと思いますよ。外で身につけた経験を、宮古で活かしてほしいです。そして、宮古を活性化してほしいですね。
2022年9月取材