石澤 敬さん / 石澤一紀さん
Takashi Ishizawa / Kazunori Ishizawa
システムエンジニア / 種苗店経営
ラジドリ専用サーキットを経営。 宮古のラジコンコミュニティを牽引する兄弟。
PROFILE
●石澤 敬(兄)
1967年生まれ。1985年、宮古高校卒業。小学生の頃にラジコンと出会い、中学まで熱中。高校ではヘビーメタルバンドを結成し、音楽活動を開始。ギターを担当。SEとして働く傍ら40歳でバンド活動を開始。ラジコンの趣味も再燃し、2017年より弟の経営するラジコンサーキットを拠点に活動中。
●石澤 一紀(弟)
1971年生まれ。1990年、宮古工業高校卒業。1992年、自動車整備専門学校卒業。自動車ディーラー勤務、板金工場勤務を経て、2015年より家業の株式会社石澤採種園を継ぐ。2017年rcドリフトコースMギャラリーを主宰。
若い人の車好き、ラジコン好きを増やしたい
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お仕事は何をしていますか?
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(兄)システムエンジニアをしています。職場の100人近い職員が使用するパソコンの不具合の対応をしたり、分からないことを教える仕事です。
(弟)家業の採種園で、野菜の種や苗を販売しています。
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一日のルーティンを教えてください。
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(兄)7:00に起きて8:30~17:15まで仕事をします。そこから寝るまで、ずっと趣味の時間です。
(弟)盛岡に住んでいますので、5:00に起きて、6時には家を出ます。8:30~店を開け、17:30まで仕事をして、盛岡に帰ります。帰宅してからはお酒を飲んでリラックスしていますね。
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仕事のやりがいを教えてください。
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(兄)パソコンの問題を解決することは、職場にとってすごく大事なことですし、職員の仕事の効率が上がったなと考えると、やりがいを感じます。
(弟)お客さんにお年寄りの方が多く、肥料など重い荷物は配達をするのですが、感謝の言葉をもらうと励みになります。
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印象に残っていることは何ですか。
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(兄)問題を解決した時、笑顔で「良かった、ありがとう」と言ってもらえたときですね。毎日、印象に残りますよ。
(弟)今まではやっていなかったのですが、今年から苗を作り始めたんです。その苗がうまく育って、お客さんから「うまく作っているね」と言われたことでしょうか。
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大変だったことはありますか。
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(兄)一人で百何十台のパソコンを受け持ち、一人で仕事を全部やらなければいけないことです。
(弟)まず朝早いですし、指示されて動くのではなく、自分で決めなきゃいけないことですね。あとは、休みの日も苗を見てないといけないので、それが大変です。
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仕事以外の時間は何をしていますか?
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(兄)子どもたちが働き始め、子育てが終わりましたので、フルに趣味の時間を楽しんでいます。ラジコンでドリフトをする「ラジドリ」というものです。ここにあるラジコンのボディ、ぜんぶ自分で塗っているんですよ。透明なボディにマスキングして、裏から塗っていくのですごく手間なんですけどね。平日の夜、コツコツ進めて1台3ヶ月くらいかかります。自分のだけでなく、弟や仲間から依頼されて作ったりもしますよ。レプリカもありますし、オリジナルデザインもあります。「自分の愛車を作ってほしい」と頼まれることも。週末はこのサーキットに来てラジコンを走らせています。
(弟)ここのサーキットを経営しているのが私なので、仕事以外の時間はここでラジコンを走らせたり、SNSで宣伝して人を集めたりする作業もしています。
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ラジコンを始めたきっかけは?
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(兄)子どもの頃にラジコンをやっていたんですが、高校生くらいから遠のいていて。6年くらい前に何十年かぶりに復活しました。ラジコン趣味の方々はいらしたんですが、ジャンルが違っていて。ラジドリは誰もやっていなかったので、弟といっしょに始めました。
(弟)私は、自動車関係の仕事をしていて、本当の車でドリフトをしていたんです。宮古で仕事をするようになった7年前、仕事以外の時間にやることがなくて。そんな時に、宮古でラジコン教室っていうのがあったので、行ってみたんです。そこで、「本当のドリフトを見せなきゃいけない!」と強く感じて(笑)。自分の店の向かいにあるこの場所が空いていたので、サーキット場として使えると思い、アタックしました。もともとはアトリエやギャラリーとして使われていたところなんですよ。
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ラジコンのどんなところが魅力ですか?
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(兄)セッティングの楽しさ、ボディペイントの楽しさ、走らせる楽しさの3つの楽しさですね。同じ趣味の人たちと出会えるのも魅力ですね。
(弟)ドリフトって本物の車ではなかなかできませんが、ミニチュアなら誰でもできることです。
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大変なことや苦労していることはあるか。
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(兄)飽きてくる時間が少なからずあるから、飽きないようにモチベーションを維持しながら続けることです。
(弟)サーキット経営者としては、人を集めるために宣伝しなければならないところが大変ですね。SNSで宣伝して、県外からも愛好家にきてもらっていますよ。
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今後どうしていきたいですか。
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(兄)地元でもっと多くの人とラジコンの楽しさを共有していきたいですね。でも、まずは自分が楽しく続けられるのが一番でしょうか。
(弟)やっぱりこのサーキットを続けていきたいですね、まずは若い人たちに興味を持ってもらいたいですね。「ラジコン、車に興味がある方は、ぜひMギャラリーへ!」と伝えたいです。
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宮古での暮らしの満足ポイント・不満ポイントを教えてください。
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(兄)特に不満はないですかね。よく「何もない」と言われていますが、良いところだと思っていますよ。
(弟)人が優しいところが宮古の良いところでしょうか。買い物するところや遊ぶところが少ないのは、ありますけどね。
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石澤さんご兄弟にとって、ふるさととは?
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(兄)生まれ育ったところ。宮古には愛着があります。
(弟)土台、ですかね。自分の中の土台。
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Uターンを考えているひとたちにメッセージを。
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(兄)その人が決めることですし、宮古がどんな街かは皆さん分かっていらっしゃると思うので…。とりあえず、帰ってきてください!
(弟)内陸に住んでいると、海のそばに行きたくなりますので、たぶんそういうところかな…。浄土ヶ浜なんて凄まじい魅力を持っている場所なのに、宮古の人は全然行かないでしょ。宮古にいると気づかないんですよね。だから、海の近くに戻っておいでってことでしょうかね。
2022年9月取材