
小田 胡未さん
Kurumi Oda
看護師
強豪カッターチーム「おなごぶり!」の若手ホープは、日々命を支える看護師
PROFILE
2000年生まれ。宮古市出身。中学校卒業後、5年間で看護師の資格を取得することができる岩手女子高校看護科へ進学。2020年、同校専攻科過程を卒業後、宮古へUターン。宮古山口病院に入職。看護師として働きながら、カッタレースチーム「おなごぶり!」に所属し、宮古市で毎年行われる大会に出場中。
仕事の後は、海の上で心を解き放つ
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お仕事内容を教えてください。
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市内の病院で看護師をしています。現在は、認知症病棟に所属していますので、認知症の患者さんの対応が主な仕事。内科的な病棟ではないので、患者さんとコミュニケーションを取ることも大事な役割ですし、食事や排泄のお世話、点滴などをします。
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看護師を目指されたきっかけは?
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もともとは、自衛隊の衛生科という部隊に入りたいと思っていたんです。自衛隊の看護師ですね。宮古の高校を出てから看護学校へ行く方法もあったんですが、高校課程と看護の専攻課程の5年間一貫教育のある、盛岡の岩手女子高校を選びました。ほかの方より1年早く資格が取れるので。

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お仕事をしていて嬉しかったことを教えてください。
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今5年目なのですが、入職当時に一緒に働いた先輩と、今また一緒に働いていて。その人たちから頼りにされると、自分も成長したんだな、と嬉しく感じます。
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逆に、大変なことは?
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生活のリズムが整わないことでしょうか。夜勤もありますから、決まった時間に眠れないので、それは大変ですね。あと、点滴をする回数が多い病棟に勤めていたときは、自分の技術がついていかず、向いていないのかな、と悩んだこともありました。高齢者の血管は、細くて壊れやすいので、難しいんですよ。また、コロナウイルスなどの感染症が流行った時は大変でしたね。患者さんに広げないようにすることや、自分自身がかからないようにするために感染対策に細心の注意を払いました。慣れない動きもするし、イレギュラーなことも起こるため、それが身体的、精神的に負担がかかりました。
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これまでの経験の中で印象に残っていることはありますか?
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夜になると、患者さんの気持ちが不穏になってしまうことがあります。専門用語で、夜間せん妄っていうんですけど。スイッチが入ってしまうと、落ち着かせようと声をかけても、ぜんぜん耳に入らなくなっちゃうんですね。精神科病棟は、こういうところが大変なんだなと思いました。
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今後の展望や夢はありますか?
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ぜんぜん具体的には決まっていないのですが、何か自分のスキルアップになるような資格を取得できればいいなと思っています。

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では、お仕事以外の時間についてお伺いします。お休みの日は何をしていますか?
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休みの日は、寝て過ごすのがもったいないと思うタイプなので、外に出かけます。盛岡に行くことが多いですね。あと、暖かい季節には、カッターレースの練習をしています。
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カッターレースは、何というチームに所属しているんですか?
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「おなごぶり!」というチームに所属しています。20代から50代の女性だけのチームで、皆さん元気でパワフルですよ。女性チームだから入ろうと思っていたら、すごく強いチームだったんです(笑)
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始めたきかけは?
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中学生くらいのときに、カッターレースの大会を見て、やってみたいとは思っていたんですよ。去年、知り合いを通じて、「練習あるから行ってみる?」と誘われて。行ってみたらすごく楽しくて、その日のうちにチームに入りました。

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どんなところが魅力ですか。
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基本、海が好きなんですよね。夏、仕事の後、夕方に海の上にいると「ああ、気持ちいいな」と、心が休まります。あと、職場以外の大人の方々とお話ができるので楽しいですね。
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ご自身の性格や性質と合う部分はありますか。
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ずっと運動部だったので、基本的に体を動かすことが好きですし、チームメイトと一緒に何かをすることも好きです。そういうところが合っているのかな。
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カッターレースの大変なことは何ですか?
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本当に体力勝負なところですね。1年目の頃、自分の体力の無さに気づいて、仕事が終わってからの時間や休日に、走り込みをしていました。体力をつけるために。
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やはり練習も厳しいのでしょうか?
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いえ、楽しみながらやるっていう感じですよ。みんなで船の上で水鉄砲したり、藤ノ川海水浴場のほうまで漕いでいって、海に飛び込んで遊んだりもします。
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それで強いんですからすごいですよね。初心者もウェルカムな感じなんですか?
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もちろん。いつでも募集しています。ほかの女性チームもどんどんできるといいなと期待しています。そうすれば、もっと盛り上がるので。

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カッターレースを宮古でする利点は?
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小さな船を使ったカッターレース大会は、全国各地にありますが、私たちがやっている大きなサイズの船で、市民が参加する大会があるのは、宮古市だけのようです。私は、カッターをしているときがすごく楽しいので、それだけで宮古にいて良かったと思えます。
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それは素敵ですね。では、宮古での暮らしの満足ポイントを教えてください。
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カッターができるということ以外には、どこか市外に出かけて、帰ってきた時に安心するのは宮古ですね。高校入学から5年間を過ごした盛岡には、楽しめる場所やお店がたくさんありますけど、宮古は育った町ですから、安心感がちがいます。
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小田さんにとってふるさととは?
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「帰ってきたな」と思える場所でしょうか。学校を卒業して、Uターンしたときに、周りの人たちから「あ、帰ってきたんだね!」と言われたとき、なんだかすごく嬉しかったのを覚えています。外に出ている人も、お盆や正月に帰ってきた時に「あ~宮古に帰ってきた」と、安心してくれているといいですね。
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小田さんにとっての希望とは何でしょうか。
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ありきたりですけれど、宮古に若い人が増えてほしいですし、若い人が楽しめる場所が増えてほしいです。

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Uターンを考えている人たちにメッセージを。
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宮古は自然がたくさんあるので、海に行って遊ぶこともできますし、食べ物もおいしい。食べ物のイベントなども多いので楽しめます。そして今は、Uターン就職した人への奨励金とか、宮古に帰ってくれば返さなくていい奨学金とか、いろんな制度があるみたいですよね。そういうのもうまく使って帰ってきてもらえたら、と思います。
2026年1月取材


