佐々木洋介さん

佐々木 洋介さん

Yosuke Sasaki

三陸ジオパーク認定ガイド

ガイド、自然保護、バスケ、パソコン講座全てを華麗にこなすスーパーヒーロー

PROFILE

1983年生まれ。岩手県宮古市出身。岩手県宮古商業高等学校(現:岩手県宮古商工高等学校)卒業。今も受け継がれている宮商祭が生み出された世代。卒業後は、地元企業に就職し、出向で福島県郡山市や愛知県名古屋市で勤務。東日本大震災前に宮古市にUターン。2011年に浄土ヶ浜ビジターセンター運営協議会に入社。2019年には、一般社法人浄土日和(じょうどびより)を立ち上げる。

人とのつながりを大切に自由な発想を

仕事の内容や毎日のルーティンを教えてください。

ネイチャーガイドや自然保護活動をしています。朝は、天気が良くても波があって観光船が欠航になる場合があるので、天気予報のチェックは欠かせないです。出勤してからは、自然状況の確認をしています。雨や風で木が倒れていないかを見て回り、倒れていた場合は撤去をします。あとは、事務仕事や旅行先の提案をしていますね。

ガイドや自然保護活動に就いたきっかけを教えてください。

震災の年にここに入りました。就職を考えた時に、当時は復旧工事のために建設業に需要があったんですけど、その後に何が来るだろうか考えたんです。町も建物も新しくなって綺麗になったら観光客が増える。10年後のことを考えたときに、地元の観光や三陸の良さを伝える仕事をしたいと思ったのがきっかけです。そのために勉強をし続けていますが、それが面白いですね。

仕事のやりがいを感じるときはどんなときですか?

地元を調べているときです。この仕事を始めた時、三陸の良さを伝えると言っても、私は誰かに伝えられるほど詳しい知識がないと思って。だから、地元について勉強をしています。そうすると、ネットでは得られない地元の情報を知ることができる。その時がとても楽しいですね。
実際に、宮古はなんで宮古なのかとか、ほとんどの人が知らないことを知ることができるときは、本当に楽しいです。

今まで観光に来たお客さんの中で、印象に残っている方はいますか?

天気が悪くて「いい景色が観られない!」と怒っていた方がいました(笑)。いろいろと世間話とかをしてフォローし、最後は写真を撮って仲良くなりましたね。

お客様との親しさを感じられるエピソードですね。では、今後の展望を教えてください。

少子高齢化で若者が減っている中、仕事のボリュームを残したまま若者に引き継ぐことをせず、若者の負担を減らしたいと思っています。仕事の多さで、若者ならではの自由な発想を消したくないと思い、毎日やらなくてもいい事を考えています。

では、趣味や余暇の過ごし方について教えてください。

趣味としては、道の駅を巡ったり、自然の豊かなところに行ったりしますね。あとは、チームを作ってバスケットボールをやっています。山岳会や旅行でいらっしゃるお客さんを案内するガイド団体、うみマチひろばなどいろいろな団体に所属しています。月に一度パソコンを教えたりもしていますよ。

その趣味を始めたきっかけを教えてください。

バスケに関しては、「スラムダンク」が大好きで、高校入試の面接で、「野球推薦だけど、入学したらバスケ部に入る」と言い、バスケ部に入部したんです。もちろん野球の顧問の先生に怒られました(笑)。でも、それくらいバスケが大好きです。ガイドは、道やおすすめの場所を教えてほしいと言われて、必要だなと感じたからです。パソコンは商業出身ということもあって、自分のスキルを誰かに教えてみるのもいいなと思って始めました。

バスケ愛が本当に強いんですね。パソコンやガイドは誰かに伝えるという共通点があまりますが、どんなところに魅力を感じますか?

正直、人に伝えるのは難しいです。でも、言葉一つ一つをかみ砕いて、言葉を選びながら伝えるのは自分も勉強になっています。「マウスをクリックして」と言っても、「それって何?」となる方が少なくなくて。当たり前だと思っていた知識をわかりやすく伝えるのはとても難しいですけどね。

逆に、大変なところや苦労することはありますか?

魅力と同じく、伝えることと伝えるための資料つくりです。小学校に行く機会がたまにあるので、小学生でもわかるように言葉をかみ砕いて、面白さを残しつつ、記憶に残してもらえるように工夫して作ることが大変ですね。知っていることをマニュアル通りにすべてを話しても、聞いている方は飽きてしまうので。3~4割の話を10割話しているかのようにして、場を盛り上げています。

ではもし、一日完全に休めるとしたときの理想の休日を教えてください。

海の上でSUPの上に寝転がってマンガを読みたいです。気が付いたら、知らないところに着いているみたいな。

宮古での暮らしの満足ポイント・不満ポイントを教えてください。

食は本当に美味しいです。しかも、それを安く買えるのが素晴らしいと思います。だからこそ、海沿いのいい景色の中で、魚や野菜を定期的に買える場所があればいいなと思います。

佐々木さんにとって、ふるさととは?

行って戻って来る場所。帰って来たくなる場所。体も心も休まる懐かしい場所ですかね。

佐々木さんの希望は?

やりたいと思ったときにやれる環境がほしいです。変にルールに縛られてやりたいことができないことが少なからずはあるので、そういった環境がほしいです。

ほかの地域と比べた時の宮古の強みを教えてください。

交通手段やお店がたくさんあるわけでもないし、何かに特化しているわけでもない。けど、住みやすいなと思えるんですよね。都心から離れていて人が来ないだけであって、宣伝をして地元の食べ物や場所、人柄の良さを見せられたらいいなと思います。

Uターンを考えているひとたちにメッセージを。

外の経験を宮古で発揮してほしいです。そして、「外から宮古はこう見えてるよ」っていうのを教えてほしいです。

2022年9月取材

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