八重樫 眞さん
Makoto Yaegashi
元会社員・イベント司会者
岩手の未来を想い宮古を元気に盛り上げる グランドホッケーを愛好家
PROFILE
1962年生まれ。岩手県岩泉町出身。中学校卒業後に親元を離れる。駒澤大学経済学部を卒業し、1986年、県北自動車に入社。その後12年間観光船事業に携わる。本社に移動後、震災を経験し東京営業所に転勤。6年間東京と三陸をつなぐ活動をした後、みやこ浄土ヶ浜遊覧船事業を中心に、地域の情報発信に努める。現在はファッションやグランドホッケーを趣味としながら宮古や岩手の未来を考え活動中。
毎日の「大変」を苦労に思わない
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お仕事の内容を教えてください。
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2022年の6月30日までは会社員をしており、貸し切りバスの運用、遊覧船事業、地域創生などの活動をしていました。現在は、岩手の地域がどのようにすれば元気になるのか考える活動をしています。
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仕事にやりがいを感じるのはどんな時ですか?
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みんなで仕事を行い、みんなで達成感を共有できた時ですね。達成感って、自己満足でしかないけれど、その中で相手の顔が見えるかだと思うんです。自分が満足した時に、相手も満足したのかなと考えないと。
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今までで印象に残っているできごとはありますか?
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一番強烈なのは東日本大震災ですね。良い意味でも悪い意味でも印象に残っています。当時は、盛岡で勤務していたため宮古にいられず、三陸の仲間たちのことが気になりながらも盛岡も大変で。一ヶ月後に宮古に来て、その状況を見た時、非常に悔みました。「俺なんでもっと早く来なかったんだろう」と。でも、自分にもできることがあるはずだと思い、自分ができることをしようと決めました。
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仕事をするうえで大変なことはありますか?
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毎日が大変で、楽だったと思う日はないですね。毎日懸命に生きている限り大変ですが、それを苦にしたことはないです。
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なぜイベント司会者をしようと思ったんですか?
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もともと私は、内気で無口な少年だったんです。社会人になってイベントの司会をしてくれと頼まれ、できるかなと不安だったんですが、マイクを持ったら、案外快感だったんです(笑)マイクを持って人前で話すたびに、新しい出会いもありますしね。
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これからの夢や目標はありますか?
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宮古の人や三陸の人たちが、本当の意味で結びついて元気になる、365日お祭りができるような、そういう雰囲気を作っていきたいですね。若い人たちに、おじさんたちが楽しそうなことしているから、俺たちもやってみようと思ってもらいたいです。
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では、仕事以外の時間は何をしていますか?
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ホッケーですね。あと眼鏡選び、洋服選びをしています。メガネが自分のキャラクターになっているので、メガネを見つけるのが趣味なんです。60本くらいは持っていますよ。人がしないような眼鏡が好きになりますね。ホッケーは、岩手町で中学生と一緒にしています。一応、岩手県の選抜チームのコーチなんですよ。
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ホッケーを始めたきっかけは何ですか?
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嘘から出た実です。会社員時代、バスの営業をしているときに、営業トークで「ホッケーってやれれば楽しそうですね」と言ったら、当時の監督が「じゃあやりますか」と。一週間後くらいにいきなり試合に出されてしまって。ヘロヘロになって、二度とするまいと決めていたんですが。一生懸命やっている中学生に影響されてね。ハマっちゃって、もう15年やっています。
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ホッケーの大変なところや苦労するところはありますか?
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加齢とともに体力が減退していることでしょうか。縦100mのコートで、15分のゲームを4クォーターやるので、60分やるんですが、終わると走れなくなります。中腰の姿勢なので腰も痛くなりますしね。課題としては、今は、岩手町にホッケー人口が集中しているのと、人工芝のコートがそこにしかなので、広がりがないことがです。もっと岩手県の中でホッケー人口が増えればいいなと思っています。
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もし、丸一日自由な時間があったらどう過ごしますか?
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ホッケーは、ひとりで自由にできることでもないんですよね。なので、もし丸一日時間があったとしたら、やっぱり知らないところを発見してみたいですね。遠くに行くんじゃなくて、知っているまちでも自分自身が行ってないところに行ってみたいです。
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宮古での暮らしの満足ポイント・不満ポイントを教えてください。
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僕は宮古に育てられたので、会社員としていろんなことを経験しているうちに、宮古が好きになりました。ただ、全国に引けを取らない良いものがあるのに、それをアピールできていないところが、もったいなく感じますね。宮古の奥ゆかしいところでもあるんですけど。
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八重樫さんにとって、ふるさととは?
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まさに、かけがえのないところ。そしてそのかけがえのなさを伝えていくところですね。
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八重樫さんの今後の希望はありますか?
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宮古に住む人たちには、小さなことでいいので、宮古の人たちがつないできたことを、さらに次の世代につなげていき、このふるさとのために何かできることはないか考えていってほしいですね。そして、それを声に出して伝えることが大切だと思います。
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Uターンを考えているひとたちにメッセージを。
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決して後悔のしないUターンにしてほしいです。都会が嫌になったとか、しょうがなくとか、中には家の事情や家族の事情で帰らなければならない人もいるでしょう。そんな人たちも後悔しないで帰ってきてほしい。そして、宮古に帰ってきたら、宮古の良さを自分で体感して、ふるさとをもっともっと良くしてほしい。それが僕の考えるUターンです。
2022年10月取材