吉濱 孝明さん
Takaaki Yoshihama
農家
いちごは食べぬが育てるのは好き 宮古に暮らす、まったり野菜農家
PROFILE
1982年生まれ。遠野緑峰高校、酪農学園大学酪農学部へと進む。2004年に卒業後、(株)サイボク東北牧場に入社し経験を積む。その4年後に、スイスへ農業研修のため留学。帰国後は、宮古の農家のもとで農業研修を受け、独立のためのノウハウを得る。2012年、念願のよしはま農園を設立する。
趣味も職業も農業
その良さを次世代に
-
仕事の内容や一日のルーティーンを教えてください
-
農家をやっています。育てている作物はいちご、きゅうり、ブロッコリー、ピーマンなど。夏は朝5時からきゅうり、冬は8時からいちごを収穫します。その後は19時頃まで出荷や事務仕事をして帰宅。ほぼ、年中無休です。
-
いろんな作物を育ててらっしゃいますが、それらを選ぶ基準はあるのですか?
-
利益率も考えますが、単純に好みです。特にいちごは栽培の工程が多く、楽しんで育てられるため、もっと力をいれていこうかなとも思っています。
-
仕事のやりがいを感じるのはどんなときですか?
-
お客さんから「おいしかった」などの反応をいただいたときですかね。あと、作物が実ったときです。日々の小さな喜び、それの積み重ねが私のやりがいになっています。それを感じられる人は、この仕事に向いているんでしょうね。
-
では逆に、この仕事で大変だなと感じるのはどんなときですか?
-
肉体的に疲れたときや事務作業のとき、つらいなと感じます。基本的に休みがないので。とは言っても、そこまでハードに働いているわけでもないですが。
-
このお仕事のこれからの展望を教えてください。
-
新しい品種を加えて、規模を大きくしていけたらなと考えています。あとは、新規就農者の支援もしたいですね。うちの農場での研修など、若者のチャレンジを応援していきたいと思っています。
-
次に、仕事以外の時間でなにをしているか教えてください。
-
料理ですかね。たまに家族に作っています。仕事があるので、あまり趣味の時間がないんですよ。
-
なるほど。では仕事が趣味に近いような感じですかね?
-
ああ、そんな感じですね。実際、この仕事は時間の融通がきくので、わりと自由なんですよ。けっこう楽しいですし。
-
仕事を趣味のようにできるのは憧れます。農業がご自身の性格や性質と合う部分はどういった所ですか?
-
一番は一人で考えて、一人で決めることができる点です。会社だとこうはいかない。感覚としてはシミュレーションゲームに近いですね。
-
農業を宮古でする良さや利点はありますか?
-
治安の良さと気候です。外国に行った後だと特に感じます。トラクターとかそこらへんに置いていても、そうそう盗まれませんし、変な人もいないですしね。
-
今後は余暇の過ごし方をどのようにしていきたいですか?
-
私は仕事と趣味の境目があいまいなんですよね…。だから、今まで通り仕事をがんばっていくというのが展望になるのかな。
-
宮古での暮らしの満足ポイント・不満ポイントを教えてください。
-
環境的に農業がやりやすいところです。あとは食べ物がおいしいところも魅力だと思います。不満な点は、所得が低いことですかね。全員の所得が低いと結果的に作物も高く売れないので。
-
吉濱さんにとって、ふるさととは?
-
難しいですけど、私にとっては宮古がそうですね。いろんなところに行きましたが、やっぱり特別な感じがあります。とは言っても、外に出ることに抵抗はないので、ふるさとで過ごすことにそこまでこだわりがあるわけではないですが。
-
吉濱さんの希望はなんでしょうか?
-
宮古にもっとファンタジーがあればいいなと思います。遠野には妖怪伝説とかあるじゃないですか。大きいところだとUSJみたいな。そういうものが宮古にもあったらいいなと思います。あとは、若者がもっとチャレンジできる環境ができればいいですね。
-
Uターンを考えているひとたちにメッセージを。
-
もっと気軽に考えてみたらいいと思います。来たくなったら帰ってくればいいし、都会がいいならそれもよし、という感じで。帰ってきたら、宮古の人はやさしく受け止めてくれると思いますよ。
2022年9月取材