大森洋希さん
Hiroki Omori
市役所職員
伝統芸能は地域の宝。地域の魅力発信で活躍する公務員
PROFILE
1993年生まれ。宮古市出身。宮古高校卒業後、岩手県立大学総合政策学部に進学。
2016年、宮古市役所へ入庁。
些細な魅力でも宮古を好きになる一つの理由
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お仕事の内容を教えてください。
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宮古市役所の企業立地港湾課という部署で働いています。クルーズ船の受入れや宮古港を利用する企業への補助などを行っています。
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宮古市役所で働こうと思ったのはなぜですか?
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高校生の時に東日本大震災があったのですが、様々な被災者支援が行われているところを見て、自分も何かしなくてはと思うようになりました。大学生の頃は、被災地支援活動を行っていて、市役所で働けば困った人を助けられる仕事ができると思ったので、それがきっかけです。
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お仕事のやりがいはどんなときに感じますか?
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コロナ禍が明けた2023年から、再び外国クルーズ船が宮古市に入港してくれるようになり、港での歓迎イベントが開かれています。歓迎する市民側も歓迎されるお客さん側も両方が喜んでいる姿を見ると、良い体験になっているなと感じます。何より外国から来るお客さんが宮古について知ってくれるのは嬉しいですよ。
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印象に残っていることを教えてください。
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クルーズ船で来られるお客さんの中に、震災について関心を持っている方がいたのが印象的でしたね。それをきっかけに、もっと宮古のことを知っていただけるように、私もがんばりたいと思うようになりました。
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大変だったことを教えてください。
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クルーズ船が入港するにあたって、海の状況を考慮して歓送迎のイベントに出演していただく地元団体の日程調整をしたりと、臨機応変に対応することが大変でした。
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お仕事の面で、今後の夢や展望はありますか?
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2024年には、昨年より多くクルーズ船が来港するので、もっと良い体験をしてもらえるように、地元の学生さんや企業の方と協力していきたいです。また、観光だけでなく物流も盛んにしていきたいので、宮古港の利活用を盛り上げられたらと思っています。
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余暇の時間はどう過ごされますか?
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写真撮影ですね。浄土ヶ浜などに行って景色の写真を撮っています。あとはお盆になると、花原市のお寺で牛伏念仏剣舞を踊っていて、今では剣舞が人生の一部になっています。
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写真撮影と牛伏念仏剣舞を始めたきっかけをそれぞれ教えてください。
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写真撮影は、仕事で一眼レフカメラを触る機会があって、写真を撮っていると楽しいなと思うようになったのがきっかけです。牛伏念仏剣舞については、小学生の時に兄が「七つ踊り」という演目を踊っているのを見て憧れたこと、友達に誘われて剣舞を踊る機会に出会えたことが踊り始めたきっかけです。
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牛伏念仏剣舞の魅力を教えてください。
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お盆になると、初盆を迎える家で踊り、供養をしています。それで喜んでくれる人がいるのを見ると、地域との繋がりを身に染みて感じますね。
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逆に苦労していることはありますか?
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プライベートとの両立です。牛伏郷土芸能保存会も人が足りているわけではないので、参加できるように調整していくのは大変です。でも、そんなことがあっても大変さよりは楽しいという気持ちが勝ちます。自分の納得のいく踊りができたり、喜んでくれる人がいると考えたりすると楽しいので、苦労はあまり感じていないです。
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もし丸一日自由に過ごせるとしたら、何をしたいですか?
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自分や他のメンバーが踊っている姿を写真に収めたいです。その写真がモチベーションや達成感につながりますし、多くの人に踊りを知ってもらう良い宣伝にもなって、一石二鳥ですよね。
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牛伏念仏剣舞との関りは今度どんなふうにしていきたいですか?
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牛伏念仏剣舞に限らずですが、いろんな伝統芸能を、地域の宝としてみんなに知ってもらいたいです。それが宮古を好きになる理由になれば良いかなと。欲を言えば、知った人が一緒に踊るようになってくれると嬉しいですね。
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宮古での暮らしの満足ポイント・不満ポイントを教えてください。
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良い点はと聞かれると迷いますね。まだまだ自分の知らない宮古の良い所がいっぱいあると思いますし、それを知って多くの人に発信していきたいと思います。悪い点は、生活に自家用車が不可欠なところですね。特に高齢の方となると移動が難しくなる場合もありますので、そういった課題についても考えていかなければならないなと思っています。
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大森さんにとってふるさととは?
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自分の居場所です。これからも住んでいきたいと思えますし、ふるさとの文化や環境が今の自分を形作っていると考えています。
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大森さんの希望は?
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宮古から離れてしまう人が多いですけど、これからの宮古を背負っていく子どもたちが、宮古にいたいと思ってほしいし、そう思ってもらえるように私も努力していきます。
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Uターンを考えている人たちにメッセージをお願いします。
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宮古の魅力を、戻ってくる前でも戻って来た後からでも知ってほしいです。そうやって自分が宮古にいたいと思える理由を、少しずつでもいいので増やしていってくれたらなと思います。
2024年3月取材