石崎 泰成さん
Taisei Ishizaki
市役所職員
ヨットに黒森神楽、国内外を飛び回って世界を広げる公務員
PROFILE
1997年生まれ。宮古市重茂出身。宮古商業高校情報科卒業後、宮古市役所に入庁。2022年から選挙管理委員会事務局に配属され、選挙の準備や啓発活動に従事する。黒森神楽保存会で活動しているほか、高校時代からヨットを続けている。
未来に繋げるためには「記憶と記録」
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お仕事の内容を教えてください。
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宮古市役所の選挙管理委員会事務局で働いています。選挙の準備や、啓発活動として学校などで出前授業を行ったりしています。
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お仕事のやりがいはどんなときに感じますか?
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選挙の環境を作り、無事に選挙が終わったときには達成感がありますね。また、出前授業をして、子どもたちに「投票することは当たり前のことなんだよ」と伝える機会を作ることにもやりがいを感じています。
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宮古市役所で働こうと思ったきっかけは何ですか?
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第一に、地元の役に立てる仕事をしたいという想いが強かったということです。次に、ライフワークであるヨットと黒森神楽がやりやすいという点もあります。特に、黒森神楽は各地を転々と巡業することもあるので、宮古市役所勤務ですと、そういった活動に参加しやすくなりますからね。
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仕事の面で大変なことを教えてください。
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いつも大変ですけど、投票が始まる前が一番大変ですね。仕事が積み重なったときは優先順位を決めて動かないと厳しいです。一つの選挙が終わっても、また次の選挙があるので、次に向けた日々の準備が重要だと感じています。
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お仕事の今後の夢や展望を教えてください。
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これからも投票しやすい環境づくりと、若い世代が政治に関心を持ってもらえるようにしていきたいです。最近は、高校や短期大学の学生さんたちと協力して、啓発活動ができれば良いなと考えています。
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余暇はどう過ごしていますか?
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ヨットと黒森神楽をしています。ヨットは、最近では競技者ではなく大会の役員や運営のサポートをすることが多いです。黒森神楽は、宮古市内だけでなくアメリカやフランスなど国外で披露する機会もあったりするんですよ。
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ヨットを始めたきっかけを教えてください。
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実家が漁業を営んでいたこともあり、船に強い憧れがあったので、マリンスポーツをやりたいと思っていたんです。高校に入ったらヨット部があったので、入部を決めました。
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ヨットの魅力はどんなところですか?
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やっぱり、青い海に白い帆って映えるんです。見ていて格好いいし、乗っているとさらに格好いいと思えます。2021年の東京オリンピックでは、ご縁があってヨット競技の役員になりました。その時、私はフィニッシュラインの担当だったので、金メダルが決まる瞬間を目の当たりにすることができました。ヨットに限らず、スポーツは良いなと改めて思った素晴らしい機会でした。
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黒森神楽を始めたきっかけは何ですか?
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私の住んでいる石浜地区には、2年に1度黒森神楽の巡行が来るので、小さいころから毎回楽しみに見ていました。中学校でも伝統芸能に触れる機会があったんですが、その時の同級生に「一緒に黒森神楽をやろう」と、誘ったことがきっかけです。
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黒森神楽の魅力を教えてください。
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かっこいいだけでなくて、お笑いの演目もあって、アドリブもありのいろんな要素が詰まっていることです。見ている側もやっている側も楽しめますよ。
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黒森神楽とヨットを続けていく中で大変だったことはありますか?
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黒森神楽は振付けを覚えるのに一苦労でした。高校生の時は、教室を借りて仲間と一緒によく練習をしていましたね。ヨットは、風や潮の流れを読むのに加えて、二人の息が合わないと真っ直ぐ走らせられないところが大変です。
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それらの活動は今後どんなふうにしていきたいですか?
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黒森神楽は何百年も続いてきたものなので、良い形で次の世代に繋げていきたいです。それが、積み重ねてきた歴史に対する私の責任だと思います。ヨットはもっと多くの大会に行きたいですね。外との関係を増やしたいですし、各地を転々とすることで、新しいものを見つけて宮古に取り入れたいです。
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もし一日自由に過ごせるとしたら何をしますか?
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何もしないです。いつも忙しいし、そんな日もあっていいと思います。でも結局はその状況に耐えられなくなって何かすると思いますけど。
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宮古での暮らしの満足ポイント・不満ポイントを教えてください。
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個人的には黒森神楽が見られるのは満足ポイントですね。逆に、不満ポイントは公共交通機関などがいろいろと不便なところです。でも田舎には田舎の良さがあって、時間がゆっくり流れているのは、ある意味満足ポイントだと思います。
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石崎さんにとってふるさととは?
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落ち着ける場所であり、最終的には帰ってくる場所です。都会も良いなとも感じますけど、そう感じられるのは宮古にいるからこそだと思います。
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石崎さんの希望は?
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黒森神楽がこれからも続いていくことです。自分の世代で終わらせたくないですね。そのためには、黒森神楽に限らずいろんな伝統芸能に触れる機会を増やしていき、ふるさとに根付いているものをみんなで広げていくことが必要です。今残せるものを映像で残して、確実なものにしていく。「記憶と記録」が大切だと思います。
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Uターンを考えている人たちにメッセージをお願いします。
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宮古にないものを持って帰ってきてほしいですね。私たちは自分たちの地域で手一杯で外を見る余裕がなかったりするんです。外でしか知ることができないものの方が多いと思うので、宮古を良くしていくヒントとして教えてくれるだけでありがたいです。
2024年3月取材